2009年8月31日月曜日

この寒いのにアイスかよ!

一昨日,突然,沖縄からアイスクリームのギフトセットが届いた.Blue Sealという沖縄のアイスクリームメーカーのもの.沖縄に住む妹からだ.たしかに,3年ほど前に家族で沖縄に行った時に食べたが,美味しかった.
しかし!夏ももう終わり,というかもう秋風が吹く札幌に,なぜ今頃?妹に電話したところ,沖縄に移住して4年になるからそろそろ何か送ろうと思ったのだそうだ.相変わらずマイペースな奴だ.まあ,北海道の人たちは冬でもガンガンに暖房入れて,半袖短パンでアイスを食べるというから,夏の終わりにアイスでもいいのかな.
それはともかく,アイスの味がすごい!シークァーサーはまだアイスとしてありだが,ゴーヤ味とはなんだ!とっても苦そう...そして「塩チンスコウ」味なんてのもある!もはや想像不可能な味だ.ぜったい沖縄県民はこんな味のBlue Sealなんて食べてない!
でもよく考えてみると,北海道も同じだった.空港などのお土産物屋には,夕張メロン味やらジンギスカン味やら味噌ラーメン味やらのキャラメルが並んでる!ご当地土産を強調するために,そんな強引な組み合わせを考えなきゃいけないもんなんだろうか?
ま,おもろいからいっか.ということで,妹からの沖縄の味を楽しもうと思います.

2009年8月21日金曜日

成績付け

私の授業はレポート課題が多いので評価が大変.自分で自分のクビを絞めているのだが,やはり「書く」ということは社会的関係性を築くことなので,できるだけたくさん書いてもらって,よい社会的関係性を築けるようなレポートが書けるようにならなきゃ,と思う.今年は授業の課題が長引いたので,ムーミン検定の中級と上級をレポートにせざるを得なかった.したがって,すごい量のレポートをやっと読み終え,期限内に送ってきた学生には一人ずつコメントを返し,今成績を付け終わった.やれやれ.
成績はざっと読んで直感で10点満点で成績を付けた後,結論の明確さ,構成の明確さ,論理性,具体性,独創性の五つの観点について各2点満点で成績をつけ合計した.すると直感で付けた点数とほぼ同じになる.まあ観点を分けたところでそれぞれの観点につける点数は直感だから,まあ当たり前か.だけど説明責任を問われた時には,こうやって観点を分けて,それぞれについて点数化した,と言えば,もっともらしくなる.
レポートの最後やレポートを送ってきたメールの中にこの授業の感想を書いてきた人が多くいた.かなり大変だったようだが,役に立った,面白かったという感想が多い.来年はどういう授業にしようかな.ともあれ,この授業が,彼らの人生を少しでも豊かにすることにつながればと切に願う.そうそう,レポートや授業内の課題はホームページに掲載してます!

2009年7月31日金曜日

ムーミン授業,終了!

今年のムーミンの授業も無事に終了しました.授業の前半は物語(Narrative)の四つの視点(構造・修辞・比喩・対話)からムーミン物語を読み解くという内容でしたが,後半はムーミン物語の続編を紙芝居で制作するという課題でした.どのグループも,主人公が他者と積極的に関わり合い,自分を見つめ,受け入れることによって自分を成長させていくという物語に仕上がっていて,授業をきちんと理解していることが伺えました.また,絵の素晴らしいものが多く,感心しました.後日,改めて紹介したいと思います.
さて,授業最終日だったので,恒例のムーミン検定の中級と上級をレポート課題として出しました.中級は,私がムーミン物語を読んで感じていた疑問の一部を学生たちにぶつけてみたものです.上級の方はもうマンネリ化しつつありますが,ムーミン物語とフィンランドの教育の共通点を問うものです.この授業の主旨がムーミンを通じてフィンランドの優れた教育を理解することだからです.今回は,フィンランドの教育に関する書籍が増えてきましたので,選択してもらうことにしました.

ムーミン検定中級2009
以下の7つの場面から2つを選択し,それぞれの場面がそれぞれの物語の中でどのような意味をもっているのかを,具体的な根拠を示して論じてください.
『ムーミン谷の彗星』でムーミンたちが天文台からの帰りに買い物をする場面について.
『楽しいムーミン一家』でムーミンたちがマメルク釣りをする場面について.
『ムーミンパパの思い出』でムーミンパパたちが王様の園遊会に参加する場面について.
『ムーミン谷の夏まつり』でムーミンパパの書いた劇が上演される場面について.
『ムーミン谷の冬』で氷姫に見つめられたリスが死んでしまう場面について.
『ムーミンパパ,海へいく』でムーミンパパが海について研究する場面について.
『ムーミン谷の11月』でスクルッタおじさんがご先祖様に会う場面について.

ムーミン検定上級2009
フィンランドの教育に関する本を少なくとも一冊読み,フィンランドの教育とムーミン物語の共通性について具体的に論じてください.本のタイトル・著者・出版社を明記してください.

【フィンランドの教育に関する本の例】
  • 『フィンランド教育 成功のメソッド~日本人に足りない「実現力」の鍛え方~』,諸葛 正弥,毎日コミュニケーションズ
  • 『フィンランドの教育力―なぜ、PISAで学力世界一になったのか』,リッカ・パッカラ,学習研究社
  • 『受けてみたフィンランドの教育』,実川真由,実川元子,文藝春秋
  • 『図解フィンランド・メソッド入門』,北川達夫,フィンランドメソッド普及会,経済界
  • 『競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功』,福田誠治,朝日新聞社
  • 『教育立国フィンランド流教師の育て方』増田ユリヤ,岩波書店
  • 『フィンランド豊かさのメソッド』,堀内都喜子,集英社
  • 『青い光が見えたから 16歳のフィンランド留学記』,高橋絵里香,講談社
  • 『フィンランドの先生 学力世界一のひみつ』,リトヴァ・ヤック‐シーヴォネン,ハンネレ・ニエミ,桜井書店
  • 『オッリペッカ・ヘイノネン―「学力世界一」がもたらすもの』,オッリペッカ・ヘイノネン,佐藤学,日本放送出版協会
  • 『フィンランドの理科教育』,鈴木誠(編著),明石書店
  • 『平等社会フィンランドが育む未来型学力』,ヘイッキ・マキパー,明石書店
皆さんの解答,お待ちしてます!

2009年7月27日月曜日

子どもたちの夏休み

昨日の朝,我が家の子どもたち(タンタン・ミンミン)は妻(リサポン)の実家(奈良)へと飛び立ちました.そして今日はおばあちゃんと3人で青春⑱切符(!)で東京へ向かっています.16時頃に東京に到着するとのこと.リサポンのお兄さん(カッちゃん)のところに滞在し,明日は東京ディズニーランドへ.ミンミンがずっと憧れていたTDLです.二人にとって思い出に残る夏休みになるでしょう.
それにしても,子どもたち,特にミンミンは,大きくなったものだと思います.これまでも二人で飛行機に乗って奈良に行ってますが,ミンミンは飛行機の中で寂しくなって泣いてたようです.最近は泣くこともなく,しかもおばあちゃんと青春⑱切符で東京まで行っちゃうのですから,たいしたもんです.親元から巣立つ日もそんなに遠いことではないのかもしれません.

2009年7月14日火曜日

ムーミン検定初級

先日の授業で「ムーミン検定初級」を行いました.以下の大問1〜8の中から四つを選び,各10問すべてに答えます.初級は,物語の中の"what","when","where","who"について問うものです.中級では"why"や"how"が問われます.上級はムーミン物語とフィンランドの教育との関係について論じてもらいます.配点は,もっとも正答率の高い大問については各4点で,それ以外の大問は各2点です.平均点は50.7点で標準偏差は21点でした.あなたもチャレンジしてみませんか?

大問1:『ムーミン谷の彗星』から
問1:ムーミンパパが川に橋をかけたために壊されてしまったのは誰の家でしたか?
問2:スナフキンが火の精を助けたお礼にもらったものはなんでしたか?
問3:ムーミンたちが訪問した天文台がある山の名前はなんですか?
問4:スノークのおじょうさんが落とし,ムーミントロールが拾ったものはなんですか?
問5:スノークのおじょうさんを襲った植物の名前はなんですか?
問6:スニフが発見し,ムーミン一家が避難した場所はどこですか?
問7:スノークが売店で買ったものはなんですか?
問8:すべてのちっちゃな動物はしっぽに何をつけなくてはいけませんか?
問9:ムーミンたちが干上がった海を渡るのに使った道具はなんですか?
問10:ムーミントロールを難破船の中で襲った生物はなんですか?


大問2:『楽しいムーミン一家』から
問1:ムーミンたちが冬眠の前に食べるものはなんですか?
問2:春が来て最初に鳴いた鳥はなんですか?
問3:切手収集をしていたヘムレンさんが次に収集しはじめたものはなんですか?
問4:飛行鬼の帽子に入ったムーミントロールはなにに変身しましたか?
問5:飛行鬼の帽子に入れられたアリジゴクはなにに変身しましたか?
問6:洞窟でジャコウネズミが飛行鬼の帽子に入れたものはなんですか?
問7:ニョロニョロの島でヘムレンさんがニョロニョロたちから奪ったものはなんですか?
問8:トフスランとビフスランは誰に追いかけられていますか?
問9:飛行鬼の乗り物はなんですか?
問10:ムーミンパパが飛行鬼にお願いしたものはなんですか?

大問3:『ムーミンパパの思い出』から
問1:ムーミン捨て子ホームではお辞儀の時にしっぽをどのくらいの角度まで上げなければなりませんか?
問2:捨て子ホームから逃げ出したムーミンパパが小川の砂地で描いたものはなんですか?
問3:ムーミンパパの親友フレドリクソンの職業はなんですか?
問4:スニフのパパであるロッドユールは何を集めていますか?
問5:フレドリクソンが作った船の名前はなんですか?
問6:スナフキンのパパであるヨクサルが嫌いだったのは誰ですか?
問7:ムーミンパパに助けられたヘムレンおばさんが船の上で最初にしたことはなんですか?
問8:ムーミンパパが王様からもらった景品は海泡石でできたなんの模型ですか?
問9:おばけが現れるのは何日の何曜日の真夜中ですか?
問10:ムーミンママがムーミンパパに助けられた時,なにを助けて,と言いましたか?

大問4:『ムーミン谷の夏まつり』から
問1:ムーミンママがムーミントロールのために作ったものはなんですか?
問2:割れた地面の中にムーミントロールが落としてしまったものはなんですか?
問3:洪水で沈んだ家を残してムーミン一家が引っ越したした場所はどこですか?
問4:エンマが嫌いな食べ物はなんですか?
問5:エンマの夫フィリフヨンクの職業はなんですか?
問6:洪水の中に落ちたちびのミイはムーミンママのなに乗って漂流しましたか?
問7:スナフキンが公園番に仕返しするために撒いたのはなんの種ですか?
問8:夏まつりのイブにすることはなんですか?
問9:ムーミンパパの書いた演劇の中でのミーサの役はなんですか?
問10:牢屋番がスノークのおじょうさんたちに書かせた言葉はなんですか?

大問5:『ムーミン谷の冬』から
問1:冬眠から目覚めてしまったムーミントロールが最初に行ったのは誰のところですか?
問2:冬眠を邪魔されたミイが噛み付いたのは誰の足でしたか?
問3:おしゃまさんは水浴び小屋で8匹のなにと一緒に暮らしていますか?
問4:氷姫の乗り物はなんですか?
問5:お日様が地平線の上に顔を出した時,ムーミントロールが氷の上でしたことはなんですか?
問6:ご先祖様が嫌いな絵には誰が描かれていますか?
問7:めそめそが慕っている動物はなんですか?
問8:サロメちゃんが尊敬しているのは誰ですか?
問9:春になっておしゃまさんが弾いた楽器はなんですか?
問10:スノークのおじょうさんが寒くないようにガラスをかけようとした花の名前はなんですか?

大問6:『ムーミン谷の仲間たち』から
問1: スナフキンがティーティウーが見つかるよう願をかけたのはどんな月ですか?
問2:ミイはホムサに何が客間に来ていると言いましたか?
問3:フィリフヨンカが嵐の海で見たものはなんですか?
問4:ムーミントロールが見つけた竜をスナフキンは誰にあげましたか?
問5:静かなのが好きなヘムレンさんが退職して建てたいと言った家はどんな家ですか?
問6:ニンニはおばさんに何を言われたために見えなくなってしまいましたか?
問7:ニンニが噛み付いたのはムーミンパパのどこですか?
問8:ニョロニョロが上陸した島を覆い尽くしていたものはなんですか?
問9:スナフキンにハーモニカをくれたのは誰ですか?
問10:ムーミン一家は誰にクリスマスツリーをプレゼントしましたか?

大問7:『ムーミンパパ海へ行く』から
問1:ムーミンパパの悲しみを庭でなぐさめてくれるものはなんですか?
問2:夏が本当に終わるまで使ってはいけないものはなんですか?
問3:モランにとってまったく意味のないものとはなんですか?
問4:島に着いたムーミンママがほったらかしにして眠ってしまったものはなんですか?
問5:ムーミントロールは島で誰に恋してしまいましたか?
問6:ムーミンママは島に何があることを見つけて本物の島だと思いましたか?
問7:ムーミンパパが仕掛けた網に大量にかかったものはなんですか?
問8:ムーミンママが自分の仕事だと言い張ったことはなんですか?
問9:消えてしまったムーミンママはどこにいたのですか?
問10:ムーミンパパが漁師の誕生日にプレゼントしたものはなんですか?

大問8:『ムーミン谷の11月』から
問1:フィリフヨンカは誰に会うためにムーミン谷に来ましたか?
問2:ヘムレンさんは誰に会うためにムーミン谷に来ましたか?
問3:スクルッタおじさんは誰に会うためにムーミン谷に来ましたか?
問4:ホムサ・トフトのちびちび虫の食べ物はなんですか?
問5:ミムラ姉さんは誰に会うためにムーミン谷に来ましたか?
問6:スクルッタおじさんが捕まえた魚を料理したのは誰ですか?
問7:パーティでミムラ姉さんが披露した出し物はなんですか?
問8:パーティでフィリフヨンカが披露した出し物はなんですか?
問9:フィリフヨンカが掃除できるようになったきっかけはなんですか?
問10:ムーミン一家を出迎えたのは誰ですか?

この検定の採点で,やっと,以前,かつての受講生がくれた消ゴムハンコセットを使うことができました.「不可」というハンコがなかったので,"resubmit"というハンコを使ったところ,もらった学生が驚いてました.もちろん再提出はありません.

2009年7月6日月曜日

本当に大事なもの

あなたの「本当に大事なこと」はなんですか?
転職に悩む大学時代の友人に,トーベ・ヤンソンの「本当に大事なもの以外は無視していい」という言葉を紹介したところ,その友人からこんな質問をされました.その友人は,仕事の内容,給料,働く場所など,どれを一番大事に考えるかで悩んでいるとのこと.私も転職したのですが,まったくの「直感」だったので,改めて自分にとって「本当に大事なもの」は何かを考えてみました.以下はその友人への返信です.

最近思うのですが,「家族」「趣味」「健康」「お金」「仕事」...というように切り離すことはできないように思います.それぞれが結びついて今の私がありますし,今の生活があります.私の場合,クリスマスに家族でコンサートをしたり,週末にバドミントンしたりと,家族と趣味は切り離せません.健康でなければ趣味は成り立ちませんし,お金がなければ趣味も健康も維持できないでしょう.趣味から仕事(研究や授業)のヒントをもらうことも多々あります.

こんなことを言って質問をはぐらかすつもりはなく,「家族」や「仕事」などは,実は「手段」なんじゃないかと思います.何のための手段かというと,自分がこの社会の中で社会的関係を築くための手段です.たとえば「仕事」が大事だという人の場合,仕事によって築かれる社会的関係を重視しているわけです.つまり,組織における立場や会社等の看板を背負った自分が大事なのでしょう.しかしこの場合,退職してしまえば社会的関係はほぼ消滅します.また,「お金」だという人は,お金によって作られる自分と社会との関係,つまりお金ですべて解決できるようなことだけが大事だということでしょう.しかし,お金ではどうにもならないこともたくさんあります.

だからといって仕事やお金を否定するつもりはありません.ただ私の場合,手段によって決まってしまう社会的関係ではなく,求める社会的関係があっての手段という方が,人生を末永く楽しめるように思います.では私の場合それが何かというと,私が「人間」について考え知りえたことに基づく社会的関係です.

大学教員の仕事は大きく教育・研究・組織運営に分けられます.研究という仕事は,私の関心事である「人間とは何か」を探究するための手段ですし,一方の教育は研究によって知りえたことを他者に伝える手段であるとともに,学生たち,あるいは学生と自分との関係を探究する場です.同様に組織運営,つまり会議も人間探究の場です.

趣味も自分と他者を知る場です.人間(の脳)はあるものとあるものを結びつけて一つのまとまりをつくりたがる傾向があります.楽器の演奏はまさに練習によって音符と身体を結びつける作業です.ピアノやコントラバスの練習あるいは合奏をしていると,自分の脳がどのように機能しているのかがよく分かります.

しかし,バドミントンは「脳は結びつけたがる」という理解だけでは試合に勝てないように思います.あるショットを正確に打つということは脳の結びつけたがる性質によって練習すればなんとかなるでしょうが,相手に勝つためには相手がどういこう行動を取るか,すなわちどういう結びつけをしているのかを読み取るとともに,自分の結びつけを裏切ることによって相手の読みを誤らせるということが必要です.このためにはもう少し高度な結びつけが必要なんだろうと思います.

また「脳は結びつけたがる」という視点から人間関係を見てみると,その人が何と何を結びつけたがっているのかが言葉や行動からある程度分かります.家族の間では,こうした個々人の頭の中での結びつきが露骨に出ます.したがって相互の衝突が生じやすい関係にあります.どうすれば互いに幸せな人間関係を築いてけるのかを考える上で家族はとても大切な存在です.

このように考えてくると,私にとってお金や健康は上のような手段,つまり家庭や仕事や趣味などを行うためのさらなる手段です.そういう意味ではお金や健康はとても大事なのもです.しかし私にとって「本当に」大事なものではありません.同様に住む場所も重要ですが,「本当に」重要なものではありません.

ついつい長々と書いてしまいましたが,おそらくトーベ・ヤンソンにとっての大事なものは,人間という小さな生き物だったのだろうと思います.その小さな生き物を守るために画家の道を選び,ムーミン物語を書いたのだと私は思います.本当に大事なものは眼には見えない,と星の王子様は言っていますが,本当に大事なものは,仕事やお金などのように簡単に分けられるものではないと思います.それを言葉にするのは難しいですが.

2009年6月8日月曜日

公開授業


先週の土曜日に,大学祭のイベントで公開授業があり,私のムーミンの授業をお披露目してきました.3部構成で,1部あたり30分です.90分間話し続ける自信がないので,細かく分割したのです.
第1部は,私の専門であるコンピュータとムーミン物語の関係について,視覚や触覚に関する簡単な実験を紹介しながら解説しました.私たちの知覚は,物理的に近いものや類似したものを一つのまとまり“ゲシュタルト”として認識しますが,それは私たちの知識や思考も同じです.知識や思考におけるゲシュタルトが物語です.コンピュータが人間の知識創造を支援するためには,物語を理解することが不可欠です.
第2部では実際にムーミン物語がどのように解釈できるかを説明しました.『ムーミン谷の仲間たち』という9つの短編集の1番目の「春のしらべ」という作品を,物語の構造と意味という観点から読み解きました.そうするとムーミン物語全体に共通するテーマ“より大きな個の獲得”というメッセージが見えてきます.
第3部はフィンランドの教育の紹介です.フィンランドは学力世界一ということで,世界的に注目されていますが,フィンランドの教育が導入している“社会構成主義”という考えはほとんど着目されていません.社会構成主義では知識や個を社会的関係の集合として捉えます.ですので,フィンランドの教育では個人の知識を図るテストは行われません.そして社会構成主義では知識や個を“NARRATIVE(物語)”として捉えます.フィンランドの教科書は物語なのです.
とまあこんな話をしたところ,ムーミン物語を読んでみたくなった,フィンランドに行ってみたい,という感想をもらうことができました.また,かつての受講生からはまた素晴らしいハンコを差し入れにいただきました.クッキーとケーキもおいしゅうございました!