そして出張でもう一つ苦痛なのが食事.小さい頃から外食というものをほとんどしたことがなく,一人で外食するのは大の苦手.朝夕はコンビニ等で買ってきてホテルで食べれば住むが,お昼はそうもいかない.そんなわけで一人で入れるようになったのがラーメン屋と立ち食い蕎麦屋.朝は温かいものが食べたいので立ち食い蕎麦屋に入ることも増えた.立ち食い蕎麦屋で無意識に注文してしまうものがある.山菜蕎麦だ.値段から言って絶対に中国産だ.こんなもん食べてるって知ったら,リサコとミースケは激怒するやろな.と思いつつ,ついつい頼んでしまう.
思えば千葉の山奥(とは大袈裟だが)で育った私にとって,毎年楽しみにしていたのが春の山菜摘み.お弁当をもって裏山に家族で山菜を摘みに行くのは,春の穏やかな陽光と相俟って,心がうきうきする年中行事だった.山菜はそんな幼少期の楽しい思い出を今によみがえらせてくれるのだ.
しかし!山菜蕎麦はそろそろ食べられないかもしれない.一昨年前の冬,まだ三本も残っていた親知らずのうちの二本(右の上下)を抜いた.この歳まで育ってきただけあって,そりゃあ巨大なものだった.しかも下のやつは珍しい三つ又.歯医者も手こずり,抜歯手術は1時間近くに及んだ.あの甲高いドリルの音,そしてペンチで歯を抜かれる時の骨のきしみ.思いだすだけで身の毛がよだつ.それはさておき,とにかく抜けた跡の穴も大きかった.そしてしばらくすると困ったことが起きた.穴に食べ物が詰まるのだ.しかし時間とともに穴はふさがり,物が詰まることもなくなった.すると今度は歯の間に繊維質のものが挟まるようになった.上下一本分の大きな歯がなくなったため,歯並び全体にゆとりができ,歯間が広がってしまったようだ.こんな状態では大好きなスルメを食べるのも躊躇する.まして白昼堂々と山菜蕎麦など食べようものなら大変なのだ.山菜蕎麦も思い出になる日は近い.
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