0.倫理要綱
全科目60点以上で合格だけど,これで80%以上取得すると,他の1科目にプラス10点できる大事な分野.試験範囲は,日本交流分析協会に入会すると送付されてくる「倫理要綱」.○×式とのことで,間違いやすいのは以下の二点.
- カウンセリング等で得たデータは,未成年であっても,本人が得られれば公表することができる→未成年の同意は無効
- 協会に投稿された論文等は個人の著書等に引用することができる→正式な許可が必要
1.自我状態
交流分析の基礎となる自我状態について問われるのは以下の5点.
- 自我状態とは→思考・行動・感情の基になる心の状態で,P(親),A(大人),C(子供)の三つの状態がある.
- 構造分析とは→PACの三つの自我状態が幼少期における親等から影響によってどのように形成されてきたのかを分析すること.
- 機能分析とは→「今,ここ」における心の働きがPACのどの自我状態の機能(CP, NP, A, FC, AC)を用いているのかを分析することで,対話分析やストローク分析いより人間関係の改善に役立つ.
- 5つの自我機能の肯定と否定:
- CPの肯定:正義感,模範的,道徳的,善悪感,否定:権威的,威圧的,批判的,封建的
- NPの肯定:養育的,優しさ,保護的,親切,否定:甘やかす,過保護,お節介,身びいき
- Aの肯定:論理的,合理的,客観的,計画的,否定:機械的,冷酷さ,打算的,理屈屋
- FCの肯定:創造的,行動的,自発的,明朗,否定:軽率さ,衝動的,奔放,わがまま
- ACの肯定:遠慮,気配り,平和に,穏やか,否定:依存的,閉鎖的,従属的,反動的
- ある自我機能を上げる方法
- CPを上げる:自分の考えを明確にする,規則を守り,他者にも求める,他人の意見にすぐさま賛同せず,問題点があれば反論する,グループの意見をまとめあげる
- NPを上げる:初対面の人に声をかけて楽しい会話をする,親睦会等の世話役を買って出る,挨拶の時に笑顔を絶やさない,ねぎらいや励ましの言葉をかける
- Aを上げる:新聞の社説を自分の言葉でまとめる,相手の言動を観察する,問題が生じてもその解決の糸口を探る,原因や証拠を追求する
- FCを上げる:大勢の人に加わって楽しむ,自分の好きなことを話す,子供と楽しく遊ぶ,周囲を喜ばせる
- ACを上げる:相手の話をまず聞く,相手の気持ちを優先する,謙遜の言動を心がける,相手のペースに合わせて他者の協力を求める
2.対話分析
対話の種類:
- 相補交流:相手から期待通り(期待した自我状態からの)の反応が得られ,理論的にはいつまでも会話が続く.ただし,時間の無駄遣いになるような非生産的会話になる場合がある.
- 交差交流:相手から予想外(期待した自我状態以外からの)の反応が得られ,会話が途切れたり,嫌な気持ちになる.しかし,ゲーム等の負の会話を断ち切ることができる.
- 裏面交流:表面的な自我状態間とは異なる自我状態間のやり取りが行われる
3.ストローク
ストロークとは「存在認知の刺激の一単位」であり,以下の三つに分けられる.
- 肯定的か否定的か:人間はストロークがないと生きていけないため,たとえ否定的なストロークでも得ようとする
- 身体的か精神的か:幼児期の身体的ストロークは重要であり,また死ぬまで認識できるストロークでもある
- 条件付きか無条件か:否定的なものは条件付きで,肯定的なものは無条件で
ストローク経済の法則とは以下の5つ.
- 与えるストロークがあっても,与えない(与え上手になれ)
- 求めるストロークがあっても,求めない(求め上手になれ)
- 欲しいストロークがあっても,受け取らない(受け取り上手になれ)
- 欲しくないストロークであっても,拒否しない(断り上手になれ)
- 自分にストロークを与えない(自分を褒め上手になれ)
4.人生態度
自分や他者,あるいは人生に対する基本的な立場や構え方であり,行動を起こす基盤となっているもの.乳児期から幼少期にかけての親等とのふれあいを通じて形成される.以下の四つのパターンがある.
- I'm O.K., You're O.K.(I+U+):協同
- I'm not O.K., You're O.K.(I-U+):逃避
- I'm O.K., You're not O.K.(I+U-):排除
- I'm not O.K., You're not O.K.(I-U-):不毛
私たちは常に同じ態度でいるわけではなく,上の四つのパターンを行き来しながら生きている(人生態度のゆらぎ).1以外の状態にいる場合にはできるだけ早く1に戻ってくることが必要であり,4→3→2→1の順に戻って行く.
- 4にいる場合は,自分も他者も,誰かの役に立っている大切な存在でることに気づく
- 3にいる場合は,謙虚になり,他者の意見を受け入れる
- 2にいる場合は,他者と一緒に何かを成し遂げ,自信を回復する
5.心理ゲーム
ストローク飢餓から脱するために,否定的ストロークを得るために行う不快なやりとり.
特徴:
- 反復性
- Aがほとんど働いていない(気づかない)
- 本人も気づいていない隠れた意図(人生態度の証明)
- ラケット感情によるPayoff
- グレースタンプ(ラケット感情の蓄積)
心理ゲームをする理由
- 孤独(ストローク飢餓から脱出)
- 自分もしくは他人がO.K.でないことを証明する
- 時間を構造化してストロークを補充する
- 自分の人生脚本を強化・進展させる
ゲームの公式
- 仕掛人+乗る人→応答→転換→混乱→結末
ゲームの図式:裏面交流の対話分析図
ドラマ三角形:迫害者,犠牲者,救援者の三つ巴
ゲームをやめるには
- 相手の誘いに乗らない:Aを使ってゲームの罠を避ける
- 役割を演じない:迫害者はAを使って条件付き否定ストロークを,犠牲者はAで自分をディスカウントしない,救援者はAで相手に気づきをもたらす
- ゲームを中断する:相手の意図を見極める,予想外の反応をする,結末に至らせない(時間的・物理的・精神的距離を置く)
- 結末のラケット感情を持たない:Aを使って割り切る
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