まずは原画の方ですが、恐ろしく緻密です。細い線の密度の違いだけで光と陰を表現しています。まさに職人技。そしてキャラクターたちを描く輪郭線の迷いのなさ。まったくブレがありません。でもこのブレのなさを生み出すために、何度もデッサンしていたことが分かります。トーベはこの物語を、そしてムーミンたち一人一人を、さらにはおそらくはフィンランドのものであろう景色や自然を、愛していたことがよく分かります。
そしてトゥーリッキの模型からも、トゥーリッキもトーベと同じくらい、ムーミンたちを愛していたことがひしひしと伝わってきます。人形たちの表情も、まさにその場面を彷彿とさせるほど。今にも動き出しておしゃべりしそうなほど、生き生きとした模型です。こちらも緻密な作品ですが、トゥーリッキが楽しみながら作成したであろうことが伝わってきます。
これらの膨大な展示の一角に「ダンス」をテーマにしたコーナーがありました。ムーミン物語の中で描かれているたくさんのダンスの場面を集めたものです。トーベ自身がダンスが好きであったためだと書かれていました。たしかにトーベの挿絵には動きがあります。しかしその一方でそれとは対照的な「静」もあると思います。スナフキンがハイ虫との会話できまずくなった場面、漁師が自分は灯台守であることを思い出し、ムーミン一家との間に流れる重苦しい空気などです。
さて、この博物館ですが、展示だけではありません。いたるところに子どもたちがムーミンたちの世界に入って行けるような仕掛けがあります。私が行った時にも20名くらいの幼稚園児たちが、ミイに扮したお姉さんの話に喜々としていました。子どもたちが楽しむためのストーリーがこの博物館にはあります。
今日はフィンランド最終日。今日もまたムーミン博物館に行ってきます!