2009年4月8日水曜日

社会構成主義の研究スタイル

語り(narrative)の探究
  • 実証研究では,ものごとの真の性質を発見することが評価され,それ以外の言説は排除される.また,科学的言説は専門用語によって表現され,日常生活で使われる言葉とは区別される.
  • これに対してnarrative研究は,より多くの人々の声を対話に加え,彼ら自身の語り(narrative)を探究することにより,新たな理解を生み出す方法.実証研究につきものの意図的操作や被験者を単なる実験対象とみなす態度を極力排除する.narrativeを探究することにより,現状に対する代替案を生み出す,他者をより身近に感じる,共感を生み出す,ことが可能.

共同的研究
  • 実証研究では研究者は研究対象とできるだけ距離を置く.研究者は自らの目的のためにデータを利用する.人々の行為はあらかじめ決定されている(先行する状況によって必然的に引き起こされる)ものとして扱われるのに対して,研究者はあくまでも自分で決定することができるように振る舞う.
  • これに対して共同的研究は,研究の対象である人々と共同で研究する.共同的研究のために参加者は自分自身について語る.研究の参加者が自ら方向性を決定し,研究に協力する.参加者の共通の目的と願いに基づいたものであれば特別なルールはない.
Action research
  • 典型的な実証研究は価値中立性を主張し,道徳的・政治的なものとは無関係を装う.
  • これに対してAction researchでは,研究者が自らの価値観を常に意識し,自らの道徳的・政治的信念を大事にする.Action researchは,当事者との共同的実践でなければならない.

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