レトリックとしての対話
- 対話の構造を人々がいかに持ちているか?⇒レトリック(説得の技術)
- レトッリク=説得の技術であれば,レトリックについての研究は現実が説得的に構成される場面に作用している権力を明らかにしてくれる
- レトリックの策略を明らかにすることにより,誰もが自由に話すことのできる場が創出される
客観性のレトリック
- 言葉のもつ「客観性」を作り出す力の中心は「鏡としの心」メタファー
- すなわち私たちの私的経験が世界をありのままに映し出すことができれば「客観的」
- しかし実際には,客観性とは特定のやり方で話したり書いたりすることにより達成される
対象と距離を置くレトリック
- 客観的事実は外的世界に関係するもの
- 対象は私たちの心の中ではなく,離れたところにある
- 「その」「あの」などの指示代名詞
- 「XXが◯◯された」という受動態
- この反対は「私化」:対象を所有しているように表現する
権威を打ち立てるレトリック
- 客観的事実を主張する権威者となるためには「心」が現実をありのままに映し出せる位置にあったことを示す必要がある
- 「私(我々)は××した」「私(我々)の◯◯が」といった表現でその場にいたという主張を埋め込む
- 他の鏡も同じことを映し出すことを示す⇒引用
- 神の視点:「◯◯が観察された」「××が見出された」などの受動態
心の鏡を浄化するレトリック
- 感情を出さない←感情は客観性という鏡を曇らせ歪める
- 感情,動機,価値,願望などの「心の内的状態が一切関与しない」ことを示す
- 受動態,数値化,「その結果は◯◯を示している」
要するに,
- 客観性とは心の状態ではなくレトッリクである!
- 客観性とはあるコミュニティの基準に即して「ありのまま」に語っているということ
- 客観性を生み出すレトリックはコミュニティが成立し機能するために必要
- あるコミュニティにおける現実(客観的事実)を普遍的なものとして扱うことはできない
0 件のコメント:
コメントを投稿