2009年5月19日火曜日

ゲシュタルト心理学

「ゲシタルト心理学」( ダヴィッド・カッツ著、武政太郎・浅見千鶴子訳、 新書館、1989、第7刷)の第26章動物心理学に以下のような話が紹介されています。
ヒメバチは昆虫の幼虫を麻痺状態にさせ、巣穴まで運び、幼虫の体内に卵を産みつけます。ヒメバチは巣穴まで幼虫を運ぶといったん巣穴の近くに幼虫を置き、巣穴に入って巣穴の準備が出来ているかどうか確かめてから幼虫を巣穴に運び入れます。ひめばちが巣穴を確認している間に幼虫を巣穴から少し遠ざけると、ヒメバチはしばらく幼虫を探し、見つけると巣穴の近くまで運びます。そしてまた巣穴を確認しに行くのだそうです。
このようなヒメバチの一連の動作は強固なゲシュタルトを形成しているため、それを破ることはヒメバチにはできません。しかし、ヒメバチを愚かだと片付けてしまえるでしょうか?
ヒトはこうした本能というゲシュタルトから開放されるだけの知性を備えているわけですが、私も含め人間は同じ過ちをたびたび繰り返してしまいます。やはり人間も、ゲシュタルトという本能の籠から自由になることは容易ではないのでしょう。

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