さて、皆さんはこんな歌をご存知ですね。
♫アルプスいちまんじゃく
♫こや○のうーえで
♫アルペンおどりを
♫さあおどりましょ
では○に入る文字はなんでしょうか?「ぎ」だと思い込んでいた人はいませんか?正しくは「り」ですね。「こやり=小槍」で山頂付近の小さく尖ったあたりということなのだそうです。インターネットで調べてみると、このような間違った「思いこみ」をしていた人が多いことに気づきます。
ではどうしてこのような「思いこみ」、すなわち「仮説」をこの歌に適用してしまうのでしょう?私の推測はこうです。アルプスといって思い浮かべるのは「アルプスの少女ハイジ」、そのハイジが可愛がっているのが子ヤギのゆきちゃん。そのような連想から「子ヤギの上で踊る」という「思いこみ」が生まれたのではないでしょうか?
この「思いこみ」の場合、「カブの思いこみ」とは異なり、音声記号としての「コヤリ」のもつ多様な「仮説」が原因ではありません。「コヤリ」と「コヤギ」、確かに音声上は似てはいますが、清音と濁音は大きな違いです。耳では「コヤリ」と正しく認識しているにも関わらず、意味を捉えるために脳が「コヤギ」にしてしまっていると思われます。
ではなぜそのようなことをしてしまうのかと言えば、「カブの思いこみ」と同様に、「コヤリ」という言葉を知らず、そのままでは歌詞を理解できないためです。つまり人間の脳は、何か理解できないことがあり、少し「事実」を歪めれば意味が通るような状況では、無意識の内に「事実」を歪めてしまう傾向があると推測します。この事例のようなコミュニケーション・エラーの場合、それを防ぐ手だては、「事実」をきちんと認識することでしょう。しかし、人間は得てして独りよがりになりがちですので、なかなか「事実」をありのままに見ることができないように思います。
2009年5月19日火曜日
子ヤギの上?
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